【サステイナブル・インタビュー】Vol.1 ヴィーガンドーナツの枠を超え、食を通して伝えたい事とは?

日本全国でサステイナブル・循環可能な暮らしを実践されている方や、ビジネスをされている方たちへインタビューをしていく
「サステイナブル・インタビュー」Vo.1

女性がドーナツの前に立って笑っている

東京・吉祥寺にある一軒家アトリエ 「暮らしとたべごと ふたつの木」 オーナー・ライフデザイナーの林愛さん
私達も大好きなヴィーガンドーナツだけでなく、
食を通して愛さんが伝えたい事とは?

Chii(The Slow Life Couple 以下Chii) かなり多岐に渡って色々と活動されているので、その辺も含めて聞きたいと思います。簡単に自己紹介をお願いします。
林愛(ふたつの木オーナー。以下、愛さん) 暮らしとたべごとふたつの木というカフェ兼一軒家アトリエをやっています。 今はSALON utenaで、体をケアするアーユルベーダのトリートメントを受けられたり、ボディに関するケアができるスペースをやってます。またEDENという名前のお庭を昨年作って、色々な方が集えるようにしているところ、新しいイベントスペースというかまたちょっとゆっくりできるところも作ろうと思って準備中です。 理念が3つあって
「生命力をアップさせる」
「セルフケアになる日常生活を」
「大地の力を生活に生かす」

というのを大事に、毎日日常生活が楽しく、イキイキと過ごせるような食のサポートとライフスタイルを提案していきたいと思っていて活動しています。

ーふたつの木開店のきっかけとは?

Chii:2012年にこちらをオープンされたとのことですが、そこに至った経緯は?

愛さん:前職は病院で管理栄養士を4年半ほどしていました。その後結婚を経て、3.11があった時に人生に大きなインパクトがあった時に「いつかやりたいな」と思い描いていたお店をやるっていうことと、自分のやりたかったことを、いつかは来ないから今やらなくちゃという気持ちが大きくなったんです。
元々家を建てていて、最初は料理教室でもやりながらいつかお店がやれたらいいなというヴィジョンで計画していたのを、急遽最初からお店を開けるという方向にシフトしてお店を開けました。

Chii:そうだったんですね。だから料理教室ができるようにオープンキッチンにして?

オープンキッチンで料理する女性
愛さん:そうオープンキッチンにしました。誰かにとって「誰かのおうちに来た」みたいな雰囲気にしたかったみたいなのもありますね。 前職の病院がベジタリアンの病院だったので、病院食でベジタリアンを提供していたんです。そこで私のベースができていたのと、大学生の時からヴィーガンに興味があって。 でもヴィーガンだからとか、そうじゃないからって言って食卓を一緒に楽しく囲めないっていうのはあまり好きじゃなかったし、そういうことではない楽しさっていうのが食にはあると思っているから、どっちの人も楽しめるっているのをコンセプトにしています。 (2012年のカフェオープン当初から)ベジタリアン・ヴィーガンメニューとそうでないメニューを選べるように、ランチもスイーツも作っていました。

ーヴィーガン料理について

Chii:私達が愛さんのドーナツを見つけたのは、ヴィーガンていう切り口でした。でも私たち元々ヴィーガンではなかったですし、今フレキシタリアンなんです。(家ではヴィーガンでも外に出るときや体が欲するときは動物性の食事も頂く)
日本でヴィーガンのお店って言うと、ヴィーガンだけ。他のお店は全部にお魚やお肉、乳製品が使われてしまうんです。なので他の人、家族とご飯に行くとなった時に選択ができないというのがありました。私たちは海外にいた時からヴィーガンを始めているので、海外はどこのお店もヴィーガンオプションとしての選択があったんです。それが嬉しくて、ヴィーガンじゃない友達とカフェ行けるんです。
初めて愛さんのドーナツを見せていただいた時に、「これはヴィーガンです、これはヴィーガンじゃないです」とオプションとして選べたのがとても嬉しかったのを覚えています。

ドーナツ
愛さん:そう言っていただけて、すごく嬉しいです。私は20代前半に一時ヴィーガンをすごくやっていた時期があったんですけど、その時に苦しくなっちゃったことがありました。勿論体調が良くなったりいいことも沢山あったけれど。楽しく人とご飯を食べるのが人生で1番豊かさを感じる瞬間で、自分が作ったり誰かが作ったのを食べたり、心が解けているタイミングで色々な話をするのが、本当に好きなの。(笑)
なのでその喜びが自分が「こうでなくては」っていう状態でいると上手くいかないなと思って、私もフレキシタリアンに近い状態で、なんでも頂くし、その時感じるものを感じるままに食べています。
Chii:2012年当時のヴィーガンとかベジタリアンていう所の市場はどうでした?
愛さん:色々な代替食品、グルテンミートみたいなものを扱っている関連の物はあったし、ヴィーガンのお菓子もあったんですけど…ちょっとときめかないものが多かった!(笑)
Chii:イメージありますよね、美味しくなさそうとか、健康にいいけどみたいな?
愛さん:健康にいいけど、健康だからいいよねみたいな。 ちょっと頭で食べるみたいな。わー可愛い、美味しそう!とっても美味しかったから、また食べたいっていう商品は多くないような気がしたし。パッケージとか見た目とかにしても。なんなんだろうな?って思ってました。もっと素敵にしたらいいのになって。
Chii:私も子供を考えた時に病院とか産院に入るってなった時に、食事の選択がないんです。「食事を大事にしてますよ」っていう病院があるっていうのはびっくりしたのと、嬉しいなっていう面もありますね。
病気の時って特に、食事が一つの薬じゃないですか、それで楽しみじゃないですか?やっぱり美味しいとか見て食べたいっていう病院食が少ないのも悲しいなって思いますよね。
愛さん:私が食をやっていてやっぱりいいと思うのは、「五感」全部を使うから、食べるのって。その時ってあんまり余計な事を考えないから、「今」にフォーカスできるみたいな。 それに満たされたものだったら、心も緩むし、身体も喜ぶし、いい匂いかいで緩むしって、全部満たしてくれる行為なんですよ。 今のところ食べないで生きるっていう選択肢はないから、だったら自分をよりよくするためのセルフケアだと思って、食に向かってほしいなっていうのがあります。病院だったりとかそういうところでこそっていうのはあると思います。
女性

ースピード感のある現代について

Chii:ちょっとスピード感のある現代のなかで、立ち食いソバ屋さんが流行ったりとか、食に対する皆さんの重きの置く場所っていうのが、優先順位的に経済発展するなかで、下がって行っていると思うんですけど、どう思われますか?

愛さん:私もどちらかと言うと、この10年位生き急いでというか、気持ちが前に前に行って、行動するっていうのが多かったかなぁと思っていて。 やっと少しふっと意識を後ろに持っていけるようになってきたばかりなんです。 そのスピードとかを良い事だと思っていたし、早い事の方が。
でも、きっと皆気づき始めていて、焦ったら前のめりになって辛くなって、息詰まるから。 きっと皆それぞれのタイミングで必ず気づいて、スローダウンするタイミングがあると思うので、そんな時に、すでにそういう暮らし方をしているとか、生き方をしているとかっていう人がいるっていう、体現して幸せに生きている姿を見せるっていうのは、とっても意味があると思うので、まず自分がそういう状態でいられるように努めたいなと思います。

Chii:今のすごい嬉しいです。私達も気づくタイミングがあって、愛さんにも気づくタイミングがって、そのタイミングって人それぞれだなって思っているので。私達のライフスタイルに関して、ちょっと前までは頑張って、「とっても良いんだよ!」って頑張って伝えていたんですけど、なんか「いっか」ってなって(笑) そのきっかけの時に聞きに来てくれる位置にいれればいいのかなぁって思ってます。

愛さん:求められたときに「オッケー」て行けるくらいでいいのかなって最近思うようになりました。もっともっとしないとって思っていたから。皆、愛が溢れているから結局、与えて伝えたいって思うのは良い事だけど、自分が枯渇してしまったら、しんどかったらやる意味がなくなっちゃうんです。

ーカフェについて

Chii:ここからは一つ一つの活動についてお話お聞きしたいんですが、今はカフェがメインですか?

愛さん:今カフェは不定期になっているんですけど「これをやりたい」って思った時にやっています。
前はランチと喫茶がメインで、ディナーは予約制で。その時はケータリングとかもやってました。
ケータリングは会社にお弁当とか、撮影現場にとか、雑誌の撮影とかをやらせていただいてました。

Chii:インスタグラムで、去年お見かけしたのが、夜のスナック営業?
愛さん:結局、人がふっと緩んで自分の心の内を話せる場っていうのをとても作りたいというか、そういう空間を持っていたいっていうのがあって。 その時は不定期にスナックやったり夜の営業をやったり。
やっぱり色々な方が交流して、こういう小さなお店の空間なのでお客様同士の距離が自然と近くなったりするっていうのが、私が幸せだなって思って。私を介して、私のお店がきっかけだけど人と人が繋がっていくってのを見れるっていうのが幸せだなって思って。=
Chii:面白いなって思ったのが、個々のテーブルを各々のお客さん皆さんで囲む。だから一つのグループではなくて、一人ひとりの初めましてが始まっているんだなっていうのが写真からも伝わっていました。
男性がテーブルを囲んで談笑している
愛さん:そう!もう全然一人でも、2人でも、自由に来てほしくて。みんなが自由にくつろげる空間というか、場を作るのが割と好きです。だから色々なことになっちゃうんだと思います。
Chii:いいですね。やってみてトライ&エラーで。
愛さん:もうその繰り返しです。

Chii:それが私としては見ていて、勇気を頂くというか。やりたいけどできない。でもとりあえずやってみたらいいじゃんみたいな。
その一歩をやっている方を見ると、「あ、とりあえずやってみればいいんだな」ってすごい思います。

愛さん:もう失敗の数、数知れずですから。本当に(笑)

Chii:でもそれを失敗と捉えずに、じゃあもうちょっとこうしようみたいな、それが必要なのかなって思います。
愛さん:もう向いてなかったら、終わり。 やっぱりやってみると、「本当にすごくやりたくてやったこと」と「やったほうがいいかな」って思ってやったことと、結果が明らかに違うので。 「あーもう本当にやりたい!」と感じた事とか、「誰か1人、この人が喜んでくれるならこれをやりたい!」って思ったことは大体うまくいくので。 頭で考えないで、ハートが言う方に。でも怖いですよ。それをやろうっていうのが一番。  
Chii:そう!でも、日本だと「3年とりあえず同じ会社に」とか「とりあえずやってみて、とりあえず続けてみて」っていうのが主流じゃないですか。
その中で「とりあえず実験的にやってみよう」ってできる勇気もありますし、「なんかでもダメだったから止めよう」みたいなそこを辞める勇気もあるのかなと思って。
愛さん:それこそ行動をしまくっていた私からしたら、「何もしない」っていう事を選ぶのがすごく怖くて。
「え、やらなくていいの?」って(笑) 「え、でもいいかなー」って「怖いよー」ていうのも体験したので。
ずーっと上手くいくわけはないので、「また失敗したなぁ」って思って、ま、休もうみたいな。そのペースに変えてます。ここ2-3年かなぁ?全然ペーペーです。もちろんSNSとかではね、良いところをお見せしますから(笑)。めっちゃもがいてます。
Chii:それも見せていったらなって思います(笑)。
それってやっぱり人間味じゃないですか。皆さんSNSだけ見てると「あー皆すごい頑張ってる、すごいずーっとやってる」みたいなストレスを感じるじゃないですか。でもやっぱり人間だから、ダメな時もあるだろうし、なんかそういうのも見せていけたらなって思いますね。

愛さん:そういうなんか、弱ってたりしんどい時こそ、”食”だったりとか人との関わりだったりていうのが勇気をくれるから、場があるとか、そういう人がいるとか、食べたら元気になるものがあるとか。すごくやりがいがあるなって最近やっと思えるようになりました。

ードーナツ販売について

Chii:今もう一つ軸になっているのがドーナツの販売ですか?
愛さん:そうですね。ヴィーガンドーナツが毎月8日、ドーナツフェアが第4土曜日にやっていて、その日はヴィーガンじゃない物もあります。その時私が、「あーこれ作りたい!」て思ったものをスタッフさんと一緒に芸術にして。なんかときめき空間にしたいみたいな。お店に来た時に「わー楽しい、美味しそう!」ていう、やっぱり五感に訴えるというか。刺激する。感性を取り戻すみたいな事ができたらいいなって思ってて。
作ってるものはドーナツなんですけど、そういう体験になればって思いながら、お店のレイアウトを考えたりとか、お花を飾ったりとか、クリスタルを置いたりとか、ラインナップを考えたりやっています。
ドーナツ
Chii:結構原材料とか、こだわりの強いドーナツですよね?
愛さん:もちろん! それはお店を始める時に、せっかく自分が作るなら、子ど達がいる未来に残したいものとか、応援したいものを使いたいていうのがあって、国産とかオーガニックの物をベースに使っています。
美味しいやつがいいから(笑)美味しくないと意味がないなっていう。結果美味しくないと誰にも響かないと思うし。それで食材を選んだりしてます。
あと今はドーナツでは発揮してないですけど、農家さんもすごく素敵な方でお知り合いがいるので、そういうのを夜の営業とかスナックの時は使ったりしてます。やっぱり美しいから!作られた野菜が。
食卓
食卓2
Chii:私達、今無農薬で完全露地栽培のお野菜を頂くんですけど、なんかエネルギー違いますよね。何をしても美味しい。ただ蒸し野菜でも「大根美味しい!」みたいな。

愛さん:そう!なんか箱を開けた瞬間から感じるパワーみたいなのとか、丁寧に包まれているとか、目に見えるだけのものじゃないけど、感じるでしょ?そういう所に宿るものを大事にしたいっていうのがあって。あれをドーナツでできたらなって思ってます。

Chii:ドーナツを選んだのはなにか理由があるんですか?
愛さん:ドーナツはある日突然、作りたくなったから(笑)
某チェーン店の物がとっても好きで、「美味しい」って思って食べていたけれど、幼稚園の給食用のお給食を作っているていうのもあって、アレルギーで卵・乳製品・ナッツが食べられないお子さんがすごく多いのを目の当たりにして、皆が食べられるドーナツがあったら楽しいかも~みたいな。
ある日突然、フレンチクルーラーのレシピが生まれて。でも1種類じゃな…と思って、ドーナツ屋さんやりたいしなーって(笑) 1種類じゃ楽しくない!ってなって、オールドファッションとココアベースのチョコレートのドーナツと、イーストの物が生まれて、5年前にドーナツ祭りっていうのを1回やったんです。
その時はもう「ドーナツ作りたい!」みたいなパーン!やりたーい!みたいな「売っているビジョン」みたいなのが見えて、これはやったら絶対楽しいって思ったのが始まりだったんですよね。でも、私それ一回やったらもう満足なタイプなんですよ「あーもうやった!楽しかったドーナツ」みたいな感じだったんですけど、思ったより反響が良かったので、これはもしかして「販売した方がいいのかな?でも買いに来るのかなー?」みたいな探り探りで(笑)
私が良い状態で作れる、商品を提供できるペースはどれくらいだろう?ていうところで、月1回で続けています。
今年の2月からドーナツフェアを始めたのは、月1回の8日の日に集中しがちになってしまったりとか、ヴィーガンじゃないドーナツももっと作りたいなっていう気持ちが湧き出てきたので、月に2回に増やしたっていうペースで。すごい歩みが遅いですけど。なので、まだ全然広がってなくて、もっと頑張りたいです。
Chii:お客さんは、地元の方が多いですか?

愛さん:リピーターは地域の方が多いですね、あとはヴィーガンとかのキーワードで見つけてきて、横浜とかから来てくださったりもありました。

ー保育園の給食事業について

Chii:保育園の給食はどういった繋がりで始められたんですか?
愛さん:カフェ、ランチ・喫茶・予約のディナーをやっていた時に、徒歩3分くらいの私立の保育園の前の園長先生が、園児の親御さんからの要望で、仕出し弁当みたいなのを採用されていたんです。園児の親御さんから「もうちょっと体にいい物に変えてほしい」っていう要望があったようで、園児の親御さんに友人がいたので、その繋がりで園長先生から依頼を頂きました。 毎年「もう無理です」って言いまくってます(笑) やっぱり子供たちの命を預かる仕事だから、食において給食って。ちょっと恐怖があったし、全園児ではなく、親御さんが買いたいっていう方のみなんですけど、アレルギーを持っているお子さんもその中に入るので、それを全部除去した献立を考えてお創りするって感じなので。 最初は本当に「無理です、そんな大役は」って感じだったんですけど、絶対にあきらめない方だったので、園長先生が。その熱意に押されて、その先生がいらっしゃるから頑張ろうって思って続けてきたんです。 「いつかあなたの為になるから頑張ってほしい」って言い続けてくださったから続けられて、そういう経験とか時間があったから今の私があるなって思えるので、もう感謝しかないです。わがままを言っていた私は本当に幼稚だったと思うけれど(笑) 今は週に2日提供しています。
Chii:今アレルギーが多いお子さんもいらっしゃるし、子供が生まれたタイミングで、食に対する考えがガラッと変わりますよね。その時に選択できるっていう嬉しさが、お母さんとしては安心ですよね。
愛さん:一人で子育てするとか、一人で全部請け負わないといけないっていうのはとてもしんどい事なので、幼稚園とか保育園の先生に手伝っていただくとか、友達とか地域の方だったりとかが一番いいんじゃないのかなと思っています。園とのつながりもすごく深くなっていて、今度畑とか、食育とか食に対するありかたを皆でシェアするっていうのをやりたいねってなってます。

ー地域に根付く活動ーWonder Garden Musashino

Chii:むさしのファーミング

愛さん:はい、活動し始めています。地域に根付いて生きるっていうのをずっと避けてきたんです。
この土地に30何年住んでいるんですけど、なんだか怖かったというか。
小学校が私立だったので地元の友達が元々、小さい時から居なかったていうのもあるんですけど。
お店を始めてそういう繋がりが少しづつ出来てきて、自分がそういう場をもっているっていう事をどうやって生かすかっていうのが自分の中で納得するまで、時間がかかって。
必死に頑張って、焦っていたから「なんとかしなくちゃ」って。外に出ようとすることもあったし。やっとその気持ちがふっと後ろに引いて、「私は元々何を持っていたんだっけ?」って。
「足りない足りない」って色々な物をつけ足そうとしたりとか、「こうじゃなくちゃ」ていう周りの目を気にしたあり方を一生懸命やったけれど、疲れ果てた先にあったのは、やっぱり自分の手にある物を活かして生きていくのが一番いいなっていうこと。
地域にも根ざしていくのもその一つで。今支えてくれている友人とかと一緒にできる事を探してのもいいなってやっと思えるようになって、そうしたら園の方も地域と繋がって、子供達が行ける畑があるとか、そういう商店さんと繋がるとかっていうのも考えていらっしゃると聞いたので。
やっぱり未来を感じる子供たちと、もちろん大人も、まだ人生がいっぱいあるから、豊かに暮らして、生活しているだけでハッピーになる地域にしたくて。
グリーンで繋がっている友人たちと色々考えています。

地図
Chii:私は外から来ると、すごく住みやすいだろうなっていう印象を受けます。畑も沢山残っているし、地域に根差して活動されているかたが沢山いらっしゃるていうのに気付くし、引っ越したいなって思うんですけど。 自分が住んでいる所ってちょっと見えづらいかなぁと思いますね。でも楽しそうです!ファーミングの写真とか見てると、自分の住んでいる所を良くしようって根本だなって思いますよね。
愛さん:やっぱり日常生活というか、毎日の事からしか生まれないかなって思いますね。それはとっても大事にしています。

ーSALON utenaについて

Chii:セルフケアになる日常生活大事ですよね。
あとは、SALON utenaはどうですか?

愛さん:ボディメンテナンスをするために作っているスペースなんです。私自身がすごく思考寄りな人間だったんです。なんでも頭で考えて、「こうあらねば」「こうでなくてはいけない」「こうした方がいい」っていうのが10年前くらいからあって、5年前くらいから崩壊してきたんですけど(笑)それをサポートしてくれたのがボディメンテナンスだったんです。身体を触れてもらうっていうのもなんですけど、オイルトリートメントを受けたりとか、整体とかマッサージとかなんでも良いんですけど、自分がその時ピンときたセラピストさんにボディメンテナンスをしてもらった後に、「あー私はこんな感情を持っていたんだ」とか、「あの時のあれが悲しかったんだ」とか「こうあらねばいけないって思いこんでいたんだ」とかの気づきがすごく多かったんです。身体が動いて、元に戻るのをサポートしてくださるので。例えばすごく身体が歪んでるとか、冷えてるとか。身体って心がむき出しになったものだから、肩が上がっているていうのは何かを守ろうとしてるとか色々あるんですけど、それを一個づつセラピストさんの所に通って、自分の身体を緩めていった、そうすることによって、囚われていた物から解放されたていうのがあるので、絶対にボディメンテナンスは大事!ていうのがあるのでレンタルスペースとして作りました。
サロン
Chii:理学療法士というボディメーカーとしての立場として、身体整えてそこで終わる人もいるし、心を整えようとすると心からのアプローチもあるじゃないですか。ボディメンテナンスして心が開くっていうのは面白いですね。
愛さん:とても効果があると思います。ただ、それはわたしの場合はそうだったていうだけで、ヴィーガンとヴィーガンじゃない食事を選べるっていうのと一緒で、別にアーユルヴェーダでもカイロプラクティックでも、ホロスコープリーディングでもなんでもいいんですけど、その時に気になった人に会いに行くっていう、やってもらいに行くってステップが大事かなって思っていて。結果ボディに触れてもらったり、セッションを受けたりして、変容が起きるっていうのを受け取っていく習慣がそもそもない人が多いから。選択肢として沢山あったらいいなっていう思いです。
Chii:本当ですね、ちょっと贅沢品の部類に入りますよね、でもとても大事ですよね。
愛さん:自分が全てを生み出すものだから、そこに投資をするのが贅沢じゃないよって言いたいなと思ってます。
Chii:そういう意味では、住宅街の中にサロンがあるといいですよね。
愛さん:やっぱりそうやって体験しないと分からない事ってあるし、何かを食べて、美味しいと緩むっていうのと。 サロンに行ってトリートメントを受けてどんな風に自分が変わるのかっていうのを感じる練習だから。 別に嫌だったり効かなかったって思えば、効かなかったていう経験をしたっていうだけだから。でも、良かったら続けようかなっていう。やっぱり「ありたい自分」でいられることが一番ハッピーな状態じゃないですか。だからそういう状態になれるように色々な事をしてきたので、経験の中で、色々な方とかセラピストの方に出会うことができて、それが私にとって本当に宝の山で、出会ってきた方に沢山影響を受けてきたから今の自分がこういう考え方をするようになったんです。

ー場を作る

Chii:つながりの中でそういう人の出会いの場を作っていらっしゃるから、次の方でそういう気づきとか、人のつながりが出来る場を作るっていうのはやっぱり愛さんがやりたいとこなんですね。
愛さん:そうですね、そういう空間を作って、あとは皆自分で出来るんですよね。好きに感じて、好きに受け取って帰ればいいって思ってます(笑) 前は「もっとこういう良い物を出して、より良くなってもらえたら」っていうエゴというか押し付けが入っていたなって思います。 今は、私が良いんだから、ここで皆が勝手に感じて持って帰ってみたいなスタンスに変わってきました。
Chii:だからこそ、皆さん来た時にほっとするのかなって思いますね。
愛さん:そういう風に言っていただけるのは本当に嬉しくて、気持ちいいなって。自分の事を話して欲しいなって思っていて、いつも。考えている事、悩んでいる事、なんでも。 改まって「ねぇどう?」っていうより、気軽にご飯食べてて「実はさこんな事がってさ」ていうのをその場にいたりした人が「えーこういうことじゃない?」「こういう風にやったら良くない?」みたいな、軽さというか、そういうときの方が心にふっと入ったりすることもあるなぁって思うので。皆一人ひとりの存在が素晴らしいっていうことを、忘れちゃうから、私もですけど
インタビュー風景
Chii:外にむいちゃいますよね。
愛さん:そう、でもそういう事がドーナツ一つ食べる事だったり、そういう場に行くことによって「あ、ここにいる自分好きだな」ってちょっとでも思えたらと。 自分に立ち返って、自分て大事な存在なんだとか、トリートメントもすごく大事に扱われるから「あなただけの為に」やってくれるわけですよ。そういう、自分をすごく大切に扱われる体験ていうのも提供したいと思ってる。だから何かを一つやるときでも、自分がされたら嬉しい対応をするとか。
Chii:だから贅沢品になるのかなって今思いました。自分に時間を使って、自分だけに集中してくれる時間だからかもですね!でもそれが大事ですよね。
愛さん:そこからあふれ出た物を皆にシェアできるていうのが、良いんだよっていう社会になればいいなって思います。皆ハッピーでいいじゃんて。(笑)

Chii:もうちょっと時間かかりそうですね

愛さん:それもそれでいいんですよ。

Chii:もう一個EDEN

が?

ーEDENとEDENHOME

愛さん:EDENはお庭だけで、EDEN HOMEていう名前でスペースを作っていて、今後展示会をしてもらったりとか、Yogaレッスンとかにいいかなって思って準備中です。
去年の2月にこのEDENを生き還らせようと思って、元々父方の祖父母が大事にしていたお庭だったんですけど、その時に残っていたのが全体的に和風の物が多くて、洋風のも少しあったけれど私好みではなかった。
なので、見る人がいなくなってしまったのもあって、いよいよ私が気合を入れて、このお庭は誰が何と言おうと、私が生き返らせる!ってなった後に、Gardenをやってくれている友人を紹介してもらったんです。
本当に輝いてますから見て頂きたい!土に触れていると、全然ひらめきが違ったり、セロトニンが出たりとかそういうのを感じていて、私趣味が草むしりなんで(笑)最近は。朝ぴっぴってね。 ガーデニングをしていると答えてくれる感がすごい。しかも黙って(笑) なんの文句も言わず(笑)咲いてくれる。
しかもただそこにあるっていうだけで私を喜ばせてくれるっていうのは「あーなんか私も生きているだけで本当はいいんだな」ってふっと、忘れそうなときに思うし、このお花は良くてこのお花はダメとかも思わないし。全体として生きているっていうのをすごく感じるから、皆人間も全体として生きようって思う(笑)
お庭
Chii:近くに井の頭公園もあるじゃないですか?グリーンに触れるっていうのは一つ大事だなって思うんですけど、自分で育てるとか自分で触るってまた違う体験ですよね。

愛さん:それは元々祖父母がお庭をやっていたのを小さい時から見ていて、ブルーベリーとかブラックベリーとかを摘んで食べたりっていうのを、小さい時からそういう経験をしていたっていうのがあったのでそこに戻っていったていう感じはありますね。

草木と女性
Chii:それがまた今ファーミングにも食育に繋がりますね。結構地域根付いてますよ(笑)結構循環として回っているなと思いますけど。(笑)
もう一つオンラインサロンはどうですか?

ーコミュニティの場としてのオンラインサロン

愛さん:今はちょっとお休み中だけど、無料と有料のオンラインサロンをやっていた時期もあった。
自分が女性としてどうやって生きていきたいのかっていうのを問い続けていた5年位だったので、そこにおいてシェアしたいことが多かったのでオンラインサロンをやっていました。でも最近はもう女性とか男性とかじゃないっていう。やっぱり人間ていう。もちろん役割の差はあると思うけれど 必要な事は男女変わらずだし、子供も大人も同じだしっていう所に考えが最近は行きついています。

Chii:コミュニティとしてそういう場を作っていくっていう??

愛さん:やっぱりオフラインで、リアルで会えないっていうのを、オンラインサロンでサポート・カバーしてくれるものだから。
今はお店の商品とかサービスっていう所に集中している所があるので、そっちまで手が回らないですけど(笑) またなんかやれたら楽しいなって思ってます。

ー大好きなStand FM

Chii:発信の場としてStandFMもされていますよね。
私も聞かせていただいていますけど、調理もしながらその音も入りながら、愛さんが今感じている事とかその時あった事とか、ホロスコープを見ながらご飯作りながらお話をされているのを聞いて、面白いなぁと思いました。結構自然体に入って来るので。

愛さん:そうだった!それもありましたね。大好きなのあの感じが!最近全然できてなかいですけど。
私も`ながら族`で、家事をしながらラジオ聞くとか、勉強しながら音楽聞くとか、耳から入るのが好きなんですよね、話すのも好きだし。気づきがあったらシェアしたいし。なんか落ち着きません?

Chii:私は好きです。なんか言葉で言い表せないんですけど、動画だと気構えるというか、準備しなきゃとか、見る方もよし!見るぞ!みたいな感じなんですけど、PodcastとかStandFMは結構すーっと何しながらでも聞けるので良いですよね。
二人笑って話している
愛さん:またやろう(笑) 声もね、ああやって改めて自分の声を聴くと、自分がいつも聞いている声とまた違う風に聞こえるので、その差を無くすっていうのをやりました。声って全部出ちゃうから。自分の中で差異を無くすっていう意味でも結構やる意味があると思ってます。自分メンテナンスの一環ですね。自分が持っているセルフイメージと、実際出ているのもが違わない方が、やっぱり生きやすいから。

Chii:最近それを理解しました、こうやって発信するようになった時に。昔は自分の声が嫌いではないけれど「なんか違うな」って思っていたんですけど、メンテナンスですよね。しっかり心から何かを伝えるとか、普通に話しているみたいに自然体に話せるって心地いいなって思います。
でもなかなかそういう場を持つことってないじゃないですか。普通の人って。そういう意味でも一個気づきの場としていいですよね。

愛さん:私も今日お話をしていただいているみたいに逆のパターンも好きなので、そういう方たちにとっても自分の声を改めて聞いてもらえる場所を作っている。すごい事だ! 最初自分がやりたいっていうことから全てが始まるじゃない?そうするとこの情熱の灯が無くなっちゃった時にすぐ辞めちゃったりしていたんだけど、そこに誰かのためにもなるし、自分も楽しいっていうのが掛け合わさった時に初めて本当の意味というか、続ける意味が出来るのかもって今急に思いました。
Chii:ちょっと自己満足を超えたところに提供ていう意味を含めてね。
愛さん:そこに自分が持っている愛を表現した先に、受け取ってくれる人がいて、それをもっと続けようってなって循環していくことになるから、きっと。出すのがまず本当は怖いけど、表現するのが第一歩だと思うけれど。 私は出しては見たもののそれを続けたり、循環させていったりていうのがちょっと苦手なところだったので、それを出来る気がしてきた。もう一歩先に。(笑)

ービジネスとしての大変さと乗り越え方

Chii:一つ伺いたかったのが、ヴィーガンとかに限らず、長く2012年からビジネスをされていて、今回コロナ渦ていうのも含めてビジネスをやっていく中で大変さとかっていうのはあったかなって思うんですけど、どうやって乗り越えてきたんでしょうか?
愛さん:大変さは自分がやりたい事と、求められている事のバランスかな?
元々自分の生き方をシフトしたいっていう思いでお店を始めたので、お勤めしてたのを自分でやるっていうのに変えたので、結構自己満足の時期が長かったんですよね。それでも頑張ってましたけど。
そこと、一般的には「こうの方が良い」とか「こうした方が利益が上がる」ていうのの気持ちが揺れて、求められているならやってみようていうのもやって。
でもそうすると心と身体のバランスが崩れて…ていうのがあって、悩んだりしたっていう意味で私はそこが大変でしたね。
でもどういう風に乗り越えたかっていうと、やっぱり自分の心に嘘をつかないとか、やりたくない事は無理してやらない、あとは出来ない事をできないから助けてってちゃんと周りの人に言うっていう事ですね。それが言えたら大丈夫。
Chii:一番難しいところですね。自分でやっていると「自分でやっているんだから」ってね。

愛さん:そう背負っちゃうんですよね。でも、そこを勇気を出して「こうしてほしい」って言うっていうのが上手く乗り越えるコツかと思います。

ー皆さんへのアドバイス

Chii:最後になりますが、今回サステイナブルインタビューとして、私も含めてサステイナブルとか身体に大事なことをするとかを今後ライフスタイルとして取り入れたい方とか、ビジネスとしてお店としてやっていきたい方にアドバイスはありますか

愛さん:考えるな感じろ!ですね。それが一番。
あとは本当に自分の心地よさを一つ一つ丁寧にみていくっていう事が大事だと思っていて。それはもうライフスタイルに一番出てくると。
何を着るか?何を食べるか?誰といるか?どんな家に住むのか?どんな情報を入れて?どんな音楽を聴くのか?そういう本当にすっごく小さな事ですね、私がずっとやってきたのは。
寒いって思ったらすぐに洋服を着るとか。そういう事も皆していないですね。自分が寒いって感じていたなら、コートとか羽織ものを着るとかっていうのをしないで、無視しちゃっていることがとても多いから。コーヒーを飲みたいって思ったのに、紅茶で我慢してるとか。そういうの絶対しなーい(笑)
ま、でもしてしまっても「私は本当はこう思っていたんだ」ていうのに気が付いてあげればいいだけなんだけど。
その心地よさを知るっていう事と、自分を知るっていう事。自分の事を知らないと生きられないし。
女性

ー今後のビジョンは?

Chii:今後のふたつの木としての展開としてのヴィジョンはどうですか?

愛さん:ドーナツをもっと広いエリアに届けたいのと、やっぱり空間を届けたいのでEDEN HOMEのほうを整えて。人が(今ちょっとしづらいけど) 心が緩んで集える場を持ちたいなと思っています。あとは色々な商品をプロデュースしたいなって思っています。

Chii:焼き菓子とか商品のプロデュースもされているので、愛さんのクリエイティビティが(笑)それを形に出来るのが素晴らしいですね。 愛さん:もう本当に色々な人がサポートしてくれているので。私自身がとにかく楽しんで周りの人たちとやっていきたいっていうのが一番です。

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